超巨大!無農薬栽培マッシュルーム
先日、静岡県にあるマッシュルーム工場へ行きました。ひんやりとした空気の中、無数に頭を出しているマッシュルームは、ちょっとした酸素濃度や気圧の変化にも敏感に反応し成長するそうです。天然の環境に近い状態を作り出すことにこだわった栽培が大きくておいしいマッシュルームを生み出しているようです。
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大きいものでは直径5cmはあるような超巨大マッシュッルーム。一般的に日本で売られているものの数倍の大きさ。今回訪れた「岩崎農産」さんでは農薬や肥料に頼らず、環境作りにこだわることで、大きさと味の良さを実現しています。生き物を育てる者の心構えとして大変参考になる話を聞かせていただきました。
マッシュルームは椎茸などと違いワラを発酵させた培養土で育ちます。体となる菌糸は適温26℃、低酸素濃度で育ちますが、マッシュルームが育つ温度は17〜18℃。工場内は夏は涼しく冬は温かい、うらやましい環境。菌糸をある程度育てたあと、急激に温度を下げ、酸素を投入することで生殖作用を促してマッシュルームの芽(?)を出させるそうです。台風が近づいたり、雨が降ったり、工場の外の環境の変化も敏感に感じ取り成長が促進されます。1時間ほど工場内でお話を聞いている間にも明らかに成長している感じが解ります。二酸化炭素が増えたからか、人間の波動を感じたからか、マッシュルームがこちらの話をこっそり聞いているようでとても不思議。
ブラウンマッシュルームがもともと原種でホワイトマッシュルームがあとから生まれた突然変異種。土壌の好みも違って発芽の仕方も異なるそう。ブラウンは良く腐熟した土壌を好み、ホワイトは未熟なうちに繁殖。あとから生まれたものには生き残る知恵が備わっているそうです。
「自然の摂理にあった育て方をすれば味が濃く、大きくておいしいマッシュルームが作れる」と、無農薬有機栽培を実践し続けている岩崎さんはおっしゃいます。余分に栄養を入れれば大きくはできる。しかし、味が落ちたり、体力がなく弱いものになったりする。薬で雑菌を殺せば育てたいものだけ育てられるかというと、そうでもない。バランスを崩し思うように育たない。植物でも同じことが言えます。
必要以上の収穫を望まず、自然とともに育てることの重要性を教えられました。マッシュルームを栽培した土壌は畑に返し、野菜を作る土壌として再利用。天然環境で作られたマッシュルームの土壌は、おいしい野菜を作ることにも役立っています。
生で試食させてもらったマッシュルームは胃の中にスーッと溶け込むようにさわやかに体の中に入り、体が欲しがる食べ物だということを一口で実感。食べた後にも余韻が残ります。香りも味も濃厚なブラウンマッシュルームはぜひ一度食べてほしい逸品。欧米では肉料理と一緒に食べますが口臭を防ぐ作用があるそう。イギリスではマッシュルームのバターソテーが贅沢に転がっているステーキをよく見かけました。岩崎農産さんのマッシュルームはイギリスで食べて来たマッシュルームに近い味。次回の英国フェアで実演販売してみたいと思っています。
*「(有)岩崎農産」さん(通販もしています)