「庭植えハーブ」代表的なハーブの育て方
「フローラルガーデンの庭仕事」H28年8月19日の内容です。次回は9月16日「種まきと春咲き一年草」種から育てる春の草花。
■ フローラルガーデンの庭仕事講座/毎月第3金曜日 10:00〜11:30
イギリスのガーデン本を読み解きながら庭目線の園芸基礎知識を学ぶ勉強会。
園芸と庭づくりの基礎を学ぶとともにフローラルガーデンの植物について説明します。
〈講師〉 ケイズガーデン 近藤かおり(フローラルガーデンよさみチーフガーデナー)
〈定員〉70名 〈参加費〉 無料
*お申込みはフローラルガーデン事務局0566-29-4330またはinfo@garden-yosami.jpまで
「庭植えハーブ」代表的なハーブの育て方
If you are interested in growing herbs you will probably also be interested in a more organic and environmentally aware lifestyle.
ハーブ栽培とオーガニックガーデニングの起源には密接な関係があります。ハーブを育てることに興味を持つことは、オーガニックや環境を意識したライフスタイルにもまた興味を持つことになるでしょう。
by Graham Clarke
1、ハーブガーデンの計画
ハーブガーデンを作ると決めた時、どんな場所で、どんなスタイルが良いのか決める必要があります。あなたのハーブガーデンが成功するために必要なことは何かを考えましょう。
【ハーブの性質】
日の当たり方 |
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多くのハーブは日当りを好むが、斑入り葉や紫葉は弱い光でも生育可能。 |
土の湿り気 |
通常の湿り気を含む土(有機質の多い土)で良いが、アロマティックハーブはそれを好まない。特に地中海沿岸原産のものは水はけを良くすることが必要。 |
土の酸性度 |
地中海沿岸原産のハーブはアルカリ性土壌を好む。 |
虫に対する耐性 |
ハーブは通常、強いにおいやアロマオイル、タンニンなどの薬効成分を体内に持っていて、それらの多くはアブラムシやナメクジなど庭に普通にいる虫がきらいな成分のため、虫除けなどに利用しやすい。 |
乾燥に対する耐性 |
一般的なハーブはインドや中国、地中海沿岸のものなど、太陽が輝く、乾燥した地域原産のものがほとんど。それは夏に多くの水やりが必要ないことを意味する。 |
【ハーブガーデンの種類】
フォーマルハーブガーデン | 幾何学模様と直線を用いたシンメトリーのデザイン。ブロックなどで通路を造る。通常1区画ごとに同じ種類のハーブを入れる。 |
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インフォーマルハーブガーデン | 場所や好みに合わせて自由にデザインする。様々なハーブを混植することができる。 |
ハーブホイール | 車輪を用いたクラッシックデザイン。多くの種類を狭い場所で育てることができる。 |
キッチンガーデン | 野菜畑と一緒に作る。料理用のハーブを野菜と一緒に収穫しやすい。 |
ウィンドウボックス | 装飾的に色々なハーブを混植する。コンテナやポットはハーブを育てやすい。家の近くに置けるので多くの種類のハーブを利用しやすい。 |
室内の窓際ポット | 種から育てる一年草や収穫してすぐ使いたいハーブ向き。ex.バジル、チャイブなど |
2、ハーブの増やし方と手入れ
バジルやディルなどの1年草は種から、ラベンダーやローズマリーなど茎が木質化するハーブはさし木で簡単に増やすことが出来ます。ハーブ類は切り取ることで次の枝が出やすいものが多いので、次々に収穫し新芽を出しやすくすると良いでしょう。ブッシュ状に育つタイムやラベンダーは花後(通常初夏)に刈り込むことで形よく保つことが出来ます。
3、ハーブの病害虫対策
ハーブ類は強い香りやオイルのため、他の植物より虫が寄りにくいものが多いですが、アンゼリカやボリジ、ディルなどアブラムシがつきやすいハーブもあります。食用にも利用するハーブ類を家庭で育てる場合、出来るだけ人工的な殺虫剤を使用したくはありません。 少しの範囲なら切りとって処分しましょう。大きな範囲でコントロールが難しい場合は天然由来成分の殺虫剤や石鹸水を使用します。
4、季節の庭仕事と代表的なハーブ
香りの良いハーブの収穫は香りの成分が強く残るよく晴れた日に行います。ちょうど良く熟した花や葉をタイミング良く摘み取るよう時期を見計らい、健康な枝のみ(5d〈枯枝、劣化した枝、 ダメージ枝、 病気の枝、色が抜けた枝〉を除く)を収穫すると良いでしょう。
【春の庭仕事】
〈2〜3月〉株分け、種まき(室内)
〈4〜5月〉 種まき(屋外)、植え付け、移植、施肥、除草、軟枝挿し、剪定と整枝、フレッシュハーブ収穫
◎代表的なハーブ
〈株分け〉ベルガモット、カモミール、ヒソップ、ミント
〈種まき〉 バジル、ボリジ、フェンネル、コリアンダー、チャービル、チャイブ、ディル、レモンバーム、パセリ、セージ
〈軟枝挿し〉 ラベンダー、マジョラム、ミント、ローズマリー、ルー、セージ、フレンチタラゴン、ウィンターセボリー、タイム
〈剪定と整枝〉月桂樹、ヒソップ、ラベンダー、ルー、タイム
〈フレッシュハーブ収穫〉アンゼリカ、レモンバーム、月桂樹、ボリジ、キャラウェイ、チャービル、チャイブ、フェンネル、ミント、パセリ、ローズマリー、タラゴン
【夏の庭仕事】
〈6〜8月〉非耐寒性ハーブ植え付け、除草、水やり、施肥、ドライハーブ収穫、種の収穫、剪定と整枝
◎代表的なハーブ
〈ドライハーブ収穫〉 セージ、ラベンダー、レモンバーム、ヒソップ、タラゴン、ローズマリー、タイム、マジョラム、セボリー
〈種の収穫〉アンゼリカ、アニス、キャラウェイ
〈剪定と整枝〉夏のシュート、ヘッジ、トピアリー等
【秋の庭仕事】
〈9〜11月〉 除草、非耐寒性ハーブ室内へ移動、半耐寒性ハーブ霜よけ、最後の剪定、 ドライ(または冷凍用)ハーブ収穫、種の収穫、腐葉土のマルチング、カットダウン
◎代表的なハーブ
〈非耐寒性ハーブ室内へ移動〉バジル、コリアンダー
〈半耐寒性ハーブ霜よけ〉ニオイゼラニウム、レモンバーベナ
〈最後の剪定〉月桂樹、カレープラント、ラベンダー
〈ドライ(または冷凍用)ハーブ収穫〉 セージ、タンポポの根、マリーゴールド、ラベンダー、パセリ、ペパーミント
〈種の収穫〉アンゼリカ、アニス、キャラウェイ、チャービル、フェンネル
【冬の庭仕事】
〈12〜1月〉根伏せ(室内)、土のphチェック(アルカリや酸性が強い場合、有機質や堆肥を入れて調整)、落葉樹剪定、テラコッタポット移動(凍らないように)、枯枝や枯れ葉撤去(病気を持ち越さないように)、ハーブガーデン計画、種の注文、フレッシュハーブ収穫
◎代表的なハーブ
〈根伏せ〉ミント、ペニーロイヤル、タンジー、タラゴン
〈落葉樹剪定〉 エルダー
〈フレッシュハーブ収穫〉室内や温室に移動した非耐寒性や半耐寒性ハーブ
〈参考文献〉
THE ORGANIC HERB GARDENER / GRAHM CLARKE