自然と向き合う「修学院離宮」
土手が盛られた松並木の間を抜けながら巡る3つの離宮。道の両脇には田や畑が残され、景色として庭の一部になっています。頂上にある隣雲亭は質素で何の飾りもありません。そのままの景色を楽しめるよう人工物をできるだけ見えなくし、池を作るための石垣ですら生垣で覆って景色に溶け込ませています。
後水尾上皇が造営した当時の景色を守るため、借景となる山林や松並木の両側に広がる田畑を買い取り、景観の保持に努力しているようですが、畑にグリーン以外の色や人工物が使われているのが残念。
350年前の風景を後世に残してくれた後水尾上皇に感謝しつつ、日本人としてもっと景観に対する意識を向上するべきだと考えさせられる旅でもありました。